2015年09月16日

征爾さん指揮する松本音楽祭に初めて参加。

やっと長年の夢が実現!世界の小澤さんの生の演奏がずっーと聴きたかった…5月に友人か
ら誘われたとき、二つ返事でOK.9月の6~7日 1泊で松本まで出かけた。
 松本の老舗の味噌屋さんで昼食。定員さんの話によると小澤さん スタッフと一緒によくこの
店にもみえるとか…そしてよくこの辺りをぶらぶら散歩してあるらしい。
16時開演だったが、15時過ぎにキッセイホールの会場に入る。もうたくさんの人でいっぱい。
1階には小澤さん関連のCDやカレンダー、Tシャツ、など様々なものが売られていた。よく見る
と隅に古いピアノが置かれている。説明書きを見ると「小澤さんの二人の兄が50キロの道のり
を神奈川から立川までリヤカーで運んだ」とかいてあった。戦後まだピアノなんて珍しかった時
代に弟のためにせっせと運ばれたピアノ!なんと麗しい兄弟愛!

 いよいよ演奏が始まる前、日本が世界に誇る指揮者がどうやって入場なさるんだろう…と興
味深々だった。ふと気が付くと白髪頭の小澤さんが楽団員と話しながらリラックスして式台に向
かって歩いてある。 えっ 小澤さんだ…とびっくりした。8月に骨折された話を聞いていたので
大丈夫かなあと気になっていた。曲目もベートーベンの交響曲第2番、ニ長調に変更。

2,3回椅子に座られたが、全身全霊で演奏の指揮、軽く足踏みされながら体いっぱいで表現
された。演奏が終わると割れんばかりの拍手。いつまでも拍手は鳴りやまなかった。
もう一つびっくりしたことがある。最後に指揮者自ら演奏者一人一人に頭を下げながら感謝の
握手をされた。見ていてジーンと胸が熱くなり、自然に涙が溢れてきた。今まで数多くの演奏を
聴いたけれどこんな指揮者初めて…入場の仕方といいこんな気さくな指揮者がいたんだ。目か
らうろこだった。小澤さんほどこのことわざが似合う人はいないだろう。「実るほどこうべを垂れ
る稲穂かな」


帰りに小澤さんの母、さくらさんが書かれたエッセイを買った。楽しみに読んだが、この親にし
てこの子ありと思われる個所がいくつもあった。戦争中、食べ物がなくて神奈川県の足柄の雨
漏りのする農家に住み、慣れないお百姓をしながら飢えを忍び、苦労して4人の子を育てたこ
とが書かれていた。今の征爾があるのはあの苦労をしたから。苦労をさせてよかったと結んで
あった。本当に素晴らしい演奏会だった。マエストロ(巨匠)と言われる人の人間性をかいまみた。
 日本が世界に誇れる指揮者、いつまでもお元気でいてほしい。


Posted by ともちゃん at 17:07│Comments(0)
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